床暖房 モニターレポート
既存のガス温水式床暖房の上に、新たな温水パネルを重ね貼りする形で工事をすることになった湯浅様邸。
このようなケースに必要なポイントを慎重にクリアしながら工事は進みます気になる段差はどう処理されたのか?
暖まり方はどう変わったのか?気になる結果をご報告します。
一戸建てのガス式床暖房を切り替えて大家族が集うスペースを快適したい。
こだわり
床材やリモコンの施工など、室内の工事を担当したのは、2年前のリフォームでもお世話になった積水ハウスリフォーム。打ち合わせを進めるなかで奥様から「できればここにお願いしたい」とリクエストがあり、ダイキンエアテクノと協力して施工にあたることになりました。
湯浅邸の奥様
積水ハウスリフォームは、過去に湯浅様邸のリフォームを担当し、建物の構造についての情報も豊富。たとえば室内のリモコンの配線についても、「この場所だと、壁の中に配線を隠すのは難しい」とすぐに判断がつくなど、何かとスムーズに話が進みました。
ご主人も「積水ハウスさんが言うなら間違いないだろう」と大きな信頼を寄せていらっしゃる様子。これも過去にお付き合いのあるリフォーム会社ならではのメリットといえるでしょう。
一方、パイプの配管を初めとする設備関連の施工は、ヒートポンプ式床暖房だけでなく、ガス温水式床暖房にも詳しい専門のスタッフが担当。
真っ先に行われた作業は、ガス温水式床暖房の水抜きでした。この工程、意外なようですが実はとても大切。温水式床暖房では、パネル内のパイプに温水を通すことで暖めるため、パイプの中には常に水がたまっています。
新しい温水パネルを上から重ねて貼る場合、配管のため床に何ヵ所か穴をあけますが、このとき、床材の下を通るパイプを傷つけてしまったら、その都度水が吹き出してしまって大変!先に水抜きを行っておけば、もしパイプ部分に穴をあけてしまってももう心配はないというわけです。
ヒートポンプユニットに温水配管をつなぐ
もう一つ大切な作業が、今までのガス温水式床暖房の配管の取り外し。完全にガスの利用をストップするのであれば、全部を外すだけでよいのですが、湯浅様邸の場合、ガス式の浴室ミストサウナについては配管を残さなければなりません。これを一つずつ見分けながら作業を進めるのも大切なポイント。
また、床下を通って屋外の新しいヒートポンプユニットへ温水配管をつなぐ作業も手際よく進められました。
スムーズに進めることができたのは、ガス、ヒートポンプの両方に通じたスタッフだからこそです。
室内の工事については、リビングの家具類を可能な限り隣接する和室と玄関ホールに移動、入りきらなかった家具はリビング側に寄せ、まずはDK部分から施工がスタートしました。
DK部分は、中央寄りにあったコンセントを移動させ、温水パネルの設置範囲を床下収納の手前ギリギリまで拡大。 「キッチンユニット周りに隙間ができて、ゴミがたまりやすくなってしまうのでは」という奥様の心配をよそに、ユニットにピッタリ合わせて床材が敷きこまれました。
水道のフットスイッチ周りもすっきり敷き込み
DK部分の敷き込みが終われば、次は家具類をDKに移動させてリビング部分の施工。
最後に新しい床材の色に合わせた幅木と、ドアの部分の見切り材を取り付けて完成です。実は、当初用意されていた見切り材は、幅が狭くコンパクトなかわりに角度が急なもの。
しかしこれを見たご主人から、「もう少し段差を感じさせないものにできないか?」というリクエストがあり、幅広で緩やかなスロープ状のものに変更。現場での臨機応変な対応で、より納得のいく仕上がりになりました。
新しい床面(写真奥)と廊下(写真手前)をつなぐスロープも幅広タイプで滑らかに
リモコン部分については露出配線になりましたが、リビング側から見えないよう、壁の裏側にあたる洗面所側を利用。
さらに、壁と同系色のカバーで覆われ、ドアを開けるとちょうど死角になる位置にあるため、ほとんど見た目を損ないません。
「このドアを閉めておくことはほとんどないので、ちょうどよいです」と奥様も満足そうです。
大家族の湯浅様ご一家ですが、リフォームの経験は豊富なだけに、工事中、室内スペースが狭まっても何のその。
家具でいっぱいになった和室の一画で、上のお子さんたちはTVを楽しみ、下のお子さんたちはおもちゃで遊ぶなど、普段と変わらない光景が繰り広げられていました。
「以前のリフォームに2、3週間かかったことを考えれば、今回は4、5日程度でラクなもの」と奥様も余裕の表情。
キッチンが使える時間は短くなりますが、食事の支度は無理に普段通りにせず、テイクアウトのお弁当などを上手に活用して切り抜けられたとか。「むしろ負担が減るので、普段しない場所の掃除までしてしまいました(笑)」。
工事の行われる日中は、友人宅で一緒にランチをするなど、うまく工夫して過ごされたようです。
工事が完了したのは本格的な暖房シーズンが過ぎた頃でしたが、雨模様で肌寒い日もあり、朝の冷え込み対策に、さっそく床暖房を活用する機会があったという湯浅様。「弱めの温度設定で使用したところ、以前のように熱くなりすぎることもなく快適。 立ち上がりもとても早かったです」と奥様からは喜びの声をいただきました。
設置範囲が広がったことで、暖かさの質も、お部屋全体がふんわり暖かい感じに変わったとか。 リモコンも段違いに操作しやすく、「以前は使ったことのなかったタイマー機能もぜひ活用してみたい」と奥様。「寒がりの私ですが、冬の朝、タイマーで床暖房を立ち上げておき、暖かいキッチンで朝の支度ができることが今から楽しみです」。
段差ができることを気にしていたご主人からも、「時々つまずくこともありますが、思ったほどではなく、そのうち慣れると思います」と合格点。「見切り材の色もドアによく似た色で違和感がなく、 安心しました」と仕上がりについても納得いただけました。 床材については、見本で見たよりも白っぽく感じられたそうですが、 「明るくていい」(奥様)、「これはこれで気に入った」(ご主人)と好評価。お子さんたちも「イイ感じ!」と喜んでくれました。
そして何より、月4万円かかっていたガス代も、ヒートポンプ式床暖房への切り替えでぐっと抑えられるはず。本格的なシーズンを迎えるのが今から楽しみな湯浅様ご一家なのでした。
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