エコキュート
オール電化住宅の給湯設備には、「電気温水器」か「エコキュート」のどちらかが必要です。
両者ともに電気給湯器ではありますが、いくつかの相違点があります。
この記事では、電気温水器とエコキュートの違いをはじめ、それぞれのメリットやデメリットも解説しますので、どちらを選ぶかで迷っている方は参考にしてください。
電気温水器とエコキュートには、次のような違いがあります。
それぞれの違いを理解して、自宅に合った方を設置してください。
電気温水器は、電熱ヒーターで貯湯タンク内の水を直接加熱してお湯を沸かし、保温します。
これは保温付き電気ポットと同じしくみです。
一方、エコキュートはエアコンと同じしくみ(ヒートポンプ方式)でお湯を沸かす「ヒートポンプユニット」と、沸かしたお湯を貯えておくための「貯湯タンクユニット」の2つで構成され、電気の力だけでなく、大気中の熱を利用しながらお湯を沸かすことが特徴です。
ヒートポンプ方式では、まず空気中の熱を集めて、その熱をさらに高熱化し活用することで、わずかな電力でお湯を沸かします。
電気だけでなく自然の力も利用して効率良くお湯を沸かせるエコキュートは、省エネ給湯機として注目を集めています。
電気温水器は、電気だけでお湯を沸かすので消費電力も多くなりがちです。
エコキュートは電気温水器と同量の電力を使用した場合でも、ヒートポンプ技術によって熱を生み出すことができるため、消費電力を抑えることができます。
一般的に、エコキュートも電気温水器も耐用年数は10~15年程度だといわれています。
両者ともに設置から10年以上が経過すると、経年劣化による故障が起きやすくなるようです。
ダイキンでは、機器が寿命よりも早く故障しても安心していただけるように、「延長保証サービス(有料)」をご用意しています。
延長保証サービスは、メーカー保証に延長保証をプラスしたもので、お申し込みいただくと次のようなメリットがあります。
続いて、電気温水器とエコキュートのメリットとデメリットを紹介します。
メリット1:設置スペースの確保がしやすい
電気温水器を設置する際は機器1つ分のスペースがあればよいので、場所の確保がしやすいと言えます。
エコキュートは2つの機材を設置するため、相対的に広いスペースが必要です。
メリット2:動作音が小さい
運転音が静かなことも電気温水器のメリットに挙げられます。
音に敏感な方や機械音が苦手な方でも、あまり気にはならないでしょう。
ダイキンのエコキュートは静音設計で、運転音が低く抑えられています。
夜間の運転音が気になる方には、昼間にお湯を沸かせる「おひさまエコキュート」もおすすめです。
デメリット1:ランニングコストが高い
初期費用に関しては、電気温水器の方が安く抑えられます。
しかし、月々の家計にかかわるランニングコストは、お湯を沸かすしくみの違いによって電気温水器の方が高くなってしまうケースがあります。
デメリット2:湯切れを起こす心配がある
電気温水器には「貯湯式」と「瞬間式」の2種類があります。
瞬間式は使用するときにお湯を温めて使用するしくみなので、一度に大量のお湯を使用するときには不向きです。
貯湯式はタンク内に貯めて給湯するシステムで、お湯の連続使用が可能ですが、それでも大家族などで一気にお湯を使用すると湯切れを起こすリスクがあるでしょう。
一度湯切れを起こすと、お湯の供給に時間がかかります。
メリット1:ランニングコストが約1/3で安い
エコキュートの最大のメリットは、電気温水器と比較して電気代を節約できることです。
お住まいの地域や使用方法(お湯の設定温度や使用量など)によって具体的な金額は違ってきますが、消費電力が少ないことから月々の電気代を抑えることが可能です。
ヒートポンプ方式では、お湯を沸かす際、空気熱と電気を併用するため、電気エネルギー「1」に対して「2以上」の空気熱エネルギーを集めるのでとても効率的です。
電気エネルギーだけでお湯を沸かす場合と比べて消費電力量を約1/3に抑えられます。
メリット2:環境にやさしく、地球温暖化の防止にも貢献できる(CO2の削減)
空気の力を利用して、少ない電力で効率良くお湯を沸かすため、気候変動に影響を及ぼすCO2の削減にもつながります。
また、燃焼音やにおいなどもなく、近所に迷惑がかかる心配もありません。
メリット3:災害に強い
エコキュートは、一定量のお湯を貯めておくことができるシステムです。
災害が発生して万が一停電や断水などが起きても、貯湯タンクユニットに残っているお湯や水を生活用水に使用することができます。
ダイキン製は耐震性能を大幅に強化しており、震度7相当に耐える構造になっています。
メリット4:国や自治体からの補助金制度を利用できる場合がある
省エネ設備のひとつに認定されているため、導入の際に国や自治体からの補助金を利用できるケースがあります。
例えば2023年時点では、経済産業省資源エネルギー庁による「給湯省エネ事業」による補助金がありました。
こちらは、エネファーム、ハイブリッド給湯器、エコキュート導入時に補助を受けられる制度で、エコキュートの場合は1台当たり5万円の補助金が支給されます。
その他、各自治体でも独自の制度を実施している場合がありますので、詳しくはお住まいの自治体に確認してみてください。
デメリット1:初期費用が高い
省エネ性には優れていますが、初期費用だけは電気温水器よりも高くなります。
しかし、地域によっては補助金制度が利用できることや、ランニングコストが安いことなどを考慮すると、長期的に見ればかえってお得と言えるでしょう。
デメリット2:設置スペースが必要
エコキュートの導入時には、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの2つ分のスペースが必要です。
ただし、製品によって必要とするスペースは異なります。
省スペースタイプ・薄型タイプとされているものは、ほかの製品よりも限られたスペースで設置が可能です。
接地場所がネックとなっている方は、ぜひこれらのタイプの導入も検討してみてください。
電気温水器とエコキュートの基本的な違いは、お湯を沸かすしくみです。
それは月々の電気代にも大きく影響します。
エコキュート導入の際には国や自治体からの補助金を利用できる場合があり、加えて、ランニングコストも安くなるため、長期的に見ればお得になるでしょう。
今回紹介した違いやメリット・デメリットを踏まえ、どちらを設置するべきか迷った際には、購入相談窓口(ダイキン カスタマーセンター)までお気軽にお問い合わせください。
ダイキンスタッフが、機種選定のアドバイスをいたします。
エアコン・住宅設備の選び方、ご購入から設置の流れなど、
ダイキンの専門スタッフまでお気軽にご相談ください。