ケース3 / トキワ桜之荘
空気が進化すれば、生活の場も快適に変わる。そんなリノベーションを目指したい。
建築家:和泉屋 勘兵衛氏(和泉屋勘兵衛建築デザイン室)
新築に加え、リノベーションも数多く担当している建築家、和泉屋勘兵衛氏。特にリノベーションによる古家再生には、独特の面白みを感じると語られます。
「既存の良さをどう見出していくか、それが新築にはない魅力ですね。その家が持っている『空気感』が、重要なポイントです」
既存の中古物件は、庭や樹木、隣近所などの家をとりまく雰囲気が、すでにでき上がっています。その雰囲気こそが和泉屋氏のいう『空気感』であり、その空気感を、生活の中で感じながら暮らせる家にすることが大切と力説されます。
しかし和泉屋氏は、何が何でも古家・・・ではなく、あくまで大事なのは「施主の意向にどれだけ寄り添えるか、でき上がった時にどれだけご満足いただけるかということです。それが充分にできていれば、これから家を持ちたいという方に古家のリノベーションは十分選択肢になりうると思います」
現在、和泉屋氏は『民家計画』という各種の専門家による古家再生ユニットに参加し、古家のリノベーションに積極的に取り組まれています。次章ではそのメンバーも含め、古家再生にかける熱のこもったお話しをお聞きしましょう。
「和」を軸足に、過去と現在と未来を繋げていくものを残していかなければ・・・そう主張される和泉屋氏にとって、建築というモノ作りの工程は、「服や靴を仕立てるのとよく似ている」だとか。いつまでも永く愛されるもの、時間を経ても手を加えながら、住み手や時代を越えて使われるものを作りたいという思いが、古家のリノベーションなどの優れた作品に表れています。
デザイン・設計を担当する和泉屋氏に加え、不動産売買を担当する藤村直樹氏(株式会社キノマチ不動産)、施工・設計を担当する豊原伸一氏(ie工房)、インテリア等のコーディネートを担当する北村カオリ氏(hygge)の4人からなる古民家・中古住宅を美しく再生するプロフェッショナルチーム。それぞれの立場・目線を活かし、物件探しから、デザイン、設計、施工、インテリア提案まで、施主に寄り添ったリノベーションを実施、古家・中古住宅の可能性を追求しています。
泉屋勘兵衛 建築デザイン室 和泉屋勘兵衛氏
株式会社キノマチ不動産 藤村直樹氏
ie工房 豊原伸一氏
hygge 北村カオリ氏
『民家計画』の結成は2012年冬。その経緯は・・・
「もともと私と豊原さんが知り合いでした。彼と『これからは古家のリノベもいいんじゃないか』という話になったのだけど、そんな都合のよい物件がどこにあるか、私たちにはわからなかった」と和泉屋氏。
横で聞いていた不動産担当の藤村氏が、話を続けました。
「不動産の世界では、古家は”壊すもの”として扱われます。でも、『これでいいから、住めないか』という声もたまにあるのですが、なかなか実現できなくて・・・。そんな時、たまたま共通の知人を通して豊原さんと知り合いまして、ここでデザインと施工と物件探しが結びついたわけです」
そこに、ご自身も古家をリノベーションし、店舗にされている北村氏が加わり、現在の『民家計画』というチームになりました。
さて、4人のチームで古家再生に関わるメリットは何でしょうか。
「それぞれの立場で、物件を検討できる点ですね。私だけでは、耐震性やアメニティという面でお客様におすすめできる物件かどうか、判断できません。でも和泉屋先生や豊原さんが、物件確認に同行してもらえるので、彼らの目から見ておすすめできるかどうか判断できるので、安心です」(藤村氏)
『民家計画』のみなさんから見た、古家再生の魅力とは何でしょうか?
最初に口火を切ってくださったのは、藤村氏。「昔の建物は、本物というか無垢の素材を使っていることが多い。だからアレンジして再生しやすいですね。今の技術でできた素材とは違うものを使っている。その魅力がありますね」
続いて豊原氏は「親近感、かな。もともとあるものの中に入って生活することの、親近感や愛着といったものが魅力ですね」と。
築約60年の家にお住まいの北村氏は「古い家には独特の空気とか雰囲気があって、そこに新しい風を吹き込ませることで新しい暮らしが始まって行くのですが、それを最初から最後まで見られることに幸せを感じます」
最後を締めたのは、和泉屋氏。「新築の場合、これだけの部屋数が欲しいといったご要望は、予算が許す範囲で満たしていく訳ですが、中古住宅の場合、すでにそこにモノがあって、その中で何とかするしかない。それは少しばかり不自由かもしれないけれど、解決しようとする中で、何を割り切っていくかを考えることが、家づくりの魅力とも言えます。だから皆さんには、『こんな楽しみもあるんですよ!』と案内したいほどですよ(笑)」
『民家計画』では、全員が古家再生を心から楽しんでいるように思えます。それがお客様に良いものを提供できる強みになっているのかもしれません。
さて、今回の兒玉様邸のリノベーションでは、空調にダクトを使ったアメニティビルトイン形エアコンが採用されました。その理由は?
「エアコンは、隠したい(笑)。いや、エアコンだけじゃなく、照明などもね。最初に『空気感』について話しましたが、家の外だけではなく、古家には家の中にも独特の空気感があります。その雰囲気を阻害せず、でもしっかり空気はコントロールしたいということから選びました」(和泉屋氏)
和泉屋氏はじめ『民家計画』の方々は、決して新しいものを否定するのではなく、最新テクノロジーと古家の空気感の融合に努めています。
「昔の住宅は、隙間風が吹いたり底冷えしたり、今の暮らしから見て決して快適ではありません。そんなところを、最新の空調技術で解決するのです。雰囲気を壊さず、快適に過ごす、そのためには、室内機を持たずダクトで空調するアメニティビルトイン形がピッタリでした。リノベーションを考える際、バリエーションの豊富なダイキンさんのハウジングエアコンは、選択肢が多くて、本当に助かります」と和泉屋氏。
最後に和泉屋氏は、『空気のリノベ』について、こう語られました。
「空気だけが進化するのではなく、やっぱり生活する場所が快適に変わって行かないと。暮らしの場の『内』と『外』。それは空気の流れも必要だし、生活する上でもとても重要なこと。それらを考えながら、どういう空気を提供できるかが大事だと思います」
24時間365日
24時間365日
まずは無料でお問い合わせ
エアコン・住宅設備の選び方、ご購入から設置の流れなど、
ダイキンの専門スタッフまでお気軽にご相談ください。
修理のお申込み
修理に関するお問い合わせ