リビングの大きな窓から海をのぞむことができるというその素晴らしい立地を活かした、周りの風景になじむ空間づくり。今回のrisoraオーナーは、海に魅せられて逗子に住まいを移した繁岡毅さん。なんと一般社団法人日本塗料工業会が定める600色の塗料用標準色の中から、3つのパネルの色を選ばれました。
開放的な眺めと、家の中を吹き抜けるさわやかな海風もインテリアの一部に活かした、こだわりの住まいにお邪魔しました。
※( )内の番号は、一般社団法人日本塗料工業会 塗料用標準色(2019年K版)の番号です。
自然素材を使い、海と調和するインテリアに
▲リビングの窓から出られるテラス。ウッドデッキになっていて、これから日焼けなどによる経年変化も楽しみだという。
繁岡さんは、もともと東京の都心に暮らしながら、海の近くの暮らしに憧れ、いつか引っ越しをしたいと考えてきました。
「特に好きだったのが鎌倉です。はじめは鎌倉に引っ越したいなと思っていたのですが、鎌倉は人が多いですし、都内へ通勤することも考えて始発駅を利用できる逗子を選びました」
そうして2019年9月に引っ越してきた新しい住まいは、海に面したマンションの一室をリノベーションしたもの。空間づくりにあたって、大きく3つのコンセプトを持っていたと言います。
「一つ目は、海が近いので、都会のシャープでおしゃれな空間というよりも、自然素材に囲まれたナチュラルな空間にしたいということでした。全体をグレイッシュなトーンで統一して、木や珪藻土といった天然素材をところどころで使っています」
▲ダイニングテーブルやキッチンにもナチュラル素材を使っている。ダイニングで食事をしていていも、キッチンに立っていても、常に海が目に入る。
リビングダイニングは、ブルーグレーの壁が、窓から目に入る海や空と調和する心地よい空間。珪藻土の塗り壁に加え、木のダイニングテーブルや、ブルーの布を貼ったベンチ、キッチンカウンターのレンガ調のパネルなど、天然素材を思わせるテクスチャーにこだわりました。
「二つ目は、海から吹いてくる風が部屋の中を抜けるような、風通しのいい空間を意識しました。そして三つ目は開放感です。荷物は2つのウォークインクローゼットに納めて、できるだけ家具を置かず広々と生活したいと考えました」
▲書斎スペース。海に向かって座ることができ、窓を開ければ心地よい海風が吹き抜ける。
机や本棚にナチュラルな木材を使用してつくられた書斎スペースは、海に向かって座ることができるように机が設けられています。仕事中も海を眺めることができ、さらにリビングとの区切りになっている窓はすべて開けることができるため、部屋の奥まで海風が吹きこみます。
壁の一面が大きな収納スペースとなっており、荷物はほとんどここにしまうことができるように設計。そのため、リビングはイージーチェアを主役とした、広々としたリラックススペースにすることができました。
部屋ごとに異なる色をテーマカラーに
繁岡さんの住まいでポイントとなっているのは、全体をナチュラルなトーンでまとめながら、随所にアクセントとなる色を使っているところ。
だとえば、リビングダイニングは、淡いブルーグレーの珪藻土の壁をベースに、建具や家具に濃いブルーを使っています。
▲リビングダイニングに通じるドアは、ブルーに塗装してインテリアのアクセントに。
リビングの入口のドアは、ブルーに塗装。リビングに置かれたイージーチェアやダイニングのベンチもブルーを選び、そしてエアコンはrisora custom styleのブルー系の塗装をチョイスしました。海をテーマにしたナチュラルな空間に馴染みながらも、インテリアのアクセントとして機能しています。
▲リビングのrisoraは、窓から見える海にもブルーグレーの壁にも調和している。(K72-50L)
「これまで、白いエアコンしか使ってきませんでしたが、経年変化によりだんだん黄ばんでくることもあり、どうにかならないかなと思っていました。そこで今回はエアコンに色を付けたいなと。赤や黒は他のメーカーでもありましたが、もっと他の色はないかと探していたところ、見つけたのがrisora custom styleでした。色だけでなく、薄さも気に入りました。risoraの色と薄さのおかけで、これは家電ではなく、インテリアの一部なのだと捉えることができました」
一方、寝室や客室ではまた違う色をキーカラーに設定。グリーンやベージュなど、自然界にある色を選びました。
「リビングダイニングが海に面しているのに対して、この2部屋は山側に位置しています。そのことを意識して、草木を連想させる緑と、土を思わせるベージュを選びました。薄い色味の壁に対して、ドアとエアコンを少し濃い色で合わせ、調和させてみました。もしこれらのエアコンが白だったら、ずいぶん印象が変わりますよね。もしrisora custom styleに出会わなかったらどうしていたでしょう。エアコンにはこだわれなかった、仕方がなかったんだと、諦めて妥協していたのでしょうね」
▲寝室は山側に面しているため、緑をキーカラーにコーディネート。珪藻土の壁は薄いグリーンにし、ドアとエアコンに濃いグリーンを使っている。(K45-50H)
▲ゲストルームとして用意した一部屋。寝室同様、山側に面しているので、エアコンは土の色をイメージしたベージュをセレクト。(K15-50D)
「今回の家づくりは、基本的に天井や床、壁といった面積の大きなところから決めて、徐々に細かいところを決めていきました。素人からすると、パズルを一気に解きたいというか、もう全てを自分の好きなようにしたいと思うんですけど、これだけ多くのパーツがあると、こっちを立てたらこっちが立たない、ということになってくるので、優先順位を決めることが大事なんじゃないかと思っています。こだわりすぎるあまり、全体の調和がとれなくなってしまうようなことになってしまったら、元も子もありませんから。
そういう意味でいうと、エアコンも細かいパーツにあたります。だからショールームで単体の色見本だけを見るのではなく、部屋に取り付けた時に、“全体として調和がとれているかどうか”が重要だと思っています。この住まいを作る際にも、小さい色見本ではなかなかイメージがわかず、友人に来てもらって一緒に考えたりもしました」
理想の空間は、信頼できるパートナーとともにつくる
▲天気がよく穏やかな日は、作った料理と食後のコーヒーをテラスで楽しむという繁岡さん。心地よい海風を全身に感じることができる、お気に入りの場所。
「海の近くに暮らしたい」という思いを形にした繁岡さんの住まい。
しかし“海の近くの暮らし”とは単なる漠然としたコンセプトで、具体的にどこをどうしたいかと問われたら、確固たるイメージを持っていたわけではなかったそう。
「素人ですし、仕事があるから週末しか考えられません。ひとり暮らしなので、100パーセント自分で決めるのは大変でした。こだわりの強いところは自分で決めて、あとは信頼できるパートナーにお任せするのが無難なのかもしれません」
漠然としたコンセプトを具体的な間取りやインテリアに落とし込んでいくために、繁岡さんが行ったのがリノベーション会社選び。10社ほどでコンペを行い、自分の望みをもっとも叶えてくれそうなところをパートナーとして選びました。
「リノベーション会社選びのポイントとしては、もちろん技術やコストも大切ですが、海が好きで、海に面した立地を活かしたテイストをつくってくれるという点でした。私が頼んだリノベーション会社のチーフ設計士は、海の近くに住んでいるサーファーの方だったんです。だから、この家をつくることにすごく興味を持ってくれて、エネルギーを費やしてくれました。その方のご提案が家づくりのベースになりました。信頼のおけるリノベーション会社から出てくる、まさに同じような環境に住んでいる方のアイデアをベースにして、自分なりの肉付けをしていきました」
▲キッチンに立っていても海が見える。自然と自炊をしたくなり、健康的な生活にもつながっている。
“海好き”でつながったリノベーション会社をパートナーに、作り上げていった家。目の前に海が広がるウッドデッキと、リビングダイニング、そしてキッチン、書斎と、日常を過ごす空間のほとんどがつながっていて、広々とした解放的な家になりました。
「ウッドデッキは、今後日焼けしてだんだんとグレーになってきて、将来的には部屋の中とひと続きのフロアのようになっていくんじゃないでしょうか。
また、暮らしのルーティンにも変化がありました。以前は自炊なんてしませんでしたが、今回、海の見えるキッチンをつくったことで、自然と自炊したいな、作りたいなと思えるようになったのです。週末に作り置きをして、平日の夜はその作り置きを食べるという、ちょっと健康的な生活になりました」
住まいの空間が変われば、行動や気持ちも変わります。自然に囲まれた環境の中で今後家がどのように育っていくのかも楽しみにしながら、繁岡さんは今の暮らしを楽しんでいます。
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