risoraオーナーでもあるインテリアスタイリスト、窪川勝哉さんのアトリエを訪問し、インテリア作りのポイントを伝授してもらう企画の後編。すぐに真似できるプロの技として教えてくれるのは「壁の使い方」です。エアコンも壁の構成要素のひとつとして重視する窪川さんは、risoraのブラックウッドを使用中。壁を楽しむアイデアからインテリアの力を感じるプチDIYまで、盛り沢山でお届けします。
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インテリアのあか抜けポイントは「壁」の使い方にあり!
▲シェルフに小物を飾るのも、垂直方向である壁面を活かすテクニック
インテリアスタイリストとして数々のメディアや企業とのコラボレーションで活躍する窪川さん。記事の前編では、今すぐ取り入れられるインテリアコーディネートのポイントとして「空間に丸いものをひとつプラスする」テクニックを教えてくれました。
そのポイントに加え、「壁を上手に使う」ことでもインテリアを格上げすることができると、窪川さんは言います。
「不動産情報などでは、部屋を平米数で表現することが多いのですが、空間は平面ではなく“立方体”として考えるべきです。床が1面あったら、壁は4面あることになる。部屋というのは多くの場合、家具や照明を置いていているために床は動線を確保する以外は飽和状態であることが多いでしょう。一方で壁に目を向けてみると、ぽっかり空いていませんか? 目に入りやすい垂直面であるにもかかわらず空いているのはもったいない。壁面に注目すれば、もっとインテリアを楽しむことができます」
この考えに基づくと、エアコンも壁の要素のひとつ。窪川さんのアトリエでは、コバルトブルーのカーペットを敷いたリビングルームにrisoraを設置しています。
▲リビングの一角に、ブラックウッドのrisoraを設置。梁や柱のブラウンに合わせてセレクトした
「リビングのエアコンは、機能的にもデザイン的にもrisora一択でした。リビングは建物の梁や柱をそのまま活かし、カラーはウォルナットブラウンと白がベースになっています。その空間に違和感なく馴染んでくれるものとして選びました」
インテリアスタイリストとして日々、家具や雑貨の情報をリサーチするのが日課のため、risoraも発売当初からチェックしていたという窪川さん。
「圧倒的な室内機パネルのカラーバリエーションがあるエアコンとして注目していました。四角い形状でノイズとなるような面がなく、いたってシンプルなデザインなので色によって壁に馴染ませることも、アクセントとして使うこともできます。
好みや部屋の雰囲気に合わせた選択肢が増えるのはとてもいいことですよね」
>>>risora製品サイトはこちら
一方で、ダイニングについては「どうしても壁に何も付けたくなかった」と言います。
▲大きなスワッグは、フラワーデザイナーの梶谷奈允子さんが制作したもの
「ダイニングを吹き抜けにしたので空調のコントーロールの問題があるのと、白い壁にフラワーデザイナーの友人に作ってもらったスワッグを飾りたかったので、その他のノイズとなりうるものは極力つけたくないと考えました」
そこでダイニングのエアコンは、ダイキンの床置形を選択。一般家庭で見ることは少ないものの、旅館などで目にしたことがあるという人も多いはず。こちらもブラウンカラーで、アトリエのインテリアの一部として馴染んでいます。
▲吹き抜け空間の壁にはできるだけノイズをなくしたいと、壁付けではなく床置きエアコンを選択
「カラーバリエーションの選択肢を増やしてくれたrisoraと同じくらい、床置形エアコンにも可能性を感じていて、アトリエにもう一台設置しようかと思っているくらいです。空調設備は、空間づくりの初期段階から考えるべき項目のひとつ。設置場所にしても配管・配線関係にしても、大きな影響を与えるものだと思います」
壁のアレンジはアイデア次第。自由な発想で楽しんで
▲玄関に飾られたモナリザのレプリカ絵画にマスクを上書きした、遊び心あるアート
窪川さんのアトリエには、ほかにも“壁使い”のアイデアが。玄関に入るとまず目に入るのは、モナリザのレプリカ絵画。コロナ禍ですっかりおなじみとなったマスク姿となったモナリザは、訪れる人にユーモアを与えてくれます。
「モナリザの絵はもともと持っていたのですが、このご時世を反映してふと思いつき、友人にマスクを描いてもらいました」
自分なりのアレンジを加えて、自由に楽しむのが窪川流です。
ほかにも、家にあるもので簡単ファブリックパネルを作るアイデアも。使用するのは、着なくなったTシャツです。
▲お気に入りの絵柄部分だけを切り取ってパネルにすれば、首回りが伸びてしまったTシャツでも大丈夫
「プリントが気に入っていたけど伸びきってしまったものや、お子さんの成長によりサイズが合わなくなったものなどをファブリックパネルにするアイデアです。
木枠を用意し、枠よりもひとまわり大きくカットしたTシャツを、100円ショップでも購入できるタッカーを使用して留めていくだけ。写真ではキャンバス張り用の木枠を使用していますが、合板でもスチロール板でも、それなりの厚みのある板ならば何でも代用OKです」
さらに、100円ショップで購入できるものを活かして、こんなものを壁のアクセントに。
▲お気に入りのポストカードや絵を飾るアイデアとして、コインを貼り付けた画鋲を使用
「100ショップで買えるゴールドの画鋲と、海外旅行で余ったコインを強力両面テープで合体させると、ちょっと素敵な画鋲になります。コインでなくても、例えば着なくなった服のボタンなんかでもアリです。接着剤でもOKですが、コインはお金なので、両面テープの使用をおすすめします」
遠出の旅行がなかなかできない今、旅の思い出のポストカードや写真を合わせて飾ると旅気分がアップ。余ったコインに覚えがある人は、ぜひお試しを!
ステイホームを楽しむ! 簡単インテリアアイデア
▲ホワイトカラーに塗った木彫りのクマはまるでシロクマのようで、“土産物感”がゼロに
窪川さんは壁使いに限らず、インテリアスタイリストとしての活動やお役立ち情報、アイデアをInstagramで発信しています(@katsuyakubokawa)。
2020年春の、新型コロナウイルス感染症の影響によるステイホーム期間中は「#インテリアの力」として、ちょっとしたアイデアでできるインテリアアイテムのDIYを紹介。大きな反響があったと言います。
「コロナ禍となり、みんなが家のことを改めて考えるようになったのでしょう。Instagramの投稿にも多くのいいね!が付きましたし、さまざまなメディアで、インテリアを通じた家での楽しみ方についての取材を受ける機会も多くありました」
中でも注目を集めたのが、鮮やかなピンクで塗られた木彫りのクマ。
▲リサイクルショップで手に取った数百円の木彫りのクマをビビッドなピンクに! 背中部分に穴を空けて試験管を差し込み、フラワーベースにする楽しみ方も
「土産物として量産されていたであろうこの木彫りのクマは、かつてリサイクルショップで購入したものですが、長らく使っていなくて埃をかぶっていました。ジェッソ(下地材)で白く塗ったのち、鮮やかなマゼンタにペイントしてみたら、全く違う雰囲気のものになりました。数百円ながら、可愛い我が家のマスコット。メルカリやヤフオクでも安価で入手できるので、お子さんと一緒にペイントするのもおすすめです」
さらに、ステイホーム期間中に断捨離を進めるなど、収納や持ち物について見直したという人には、着なくなった洋服を活かしたこんなアイデアも。
▲着古したデニムもポケット部分を切り取ってアレンジ! 刺繍枠と組み合わせて、リモコンやリビングの小物収納に
▲シャツの首回り部分を切り取って花瓶にまとわせた
「穿かなくなったデニムのポケットを切り取って、刺繍枠と組み合わせればウォールポケットが作れます。刺繍枠よりひと回り大きめにポケット周辺をカットして、枠にはめるだけ。スマホ入れにもリモコン入れにも、ステーショナリーにも、装飾にも使える便利な収納になります。
また、着なくなったシャルの袖口をカットし空き瓶にかぶせると、ちょっとおめかしした、即席フラワーベースになってくれます。リサイクルに出したり捨てたりする前に、インテリアとして楽しんでみてはいかがでしょうか」
インテリアのプロとしての視点を活かし、たくさんのテクニックやアイデアを伝授してくれた窪川さん。家にあるものや、ステイホームでも購入できる通販サイトなどを利用して手に入れたアイテムを使って、あなたらしい発想でインテリアを楽しんでみてください。
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窪川勝哉(くぼかわ かつや)
1974年山梨県生まれ。インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深いインテリアスタイリスト。TV番組のインテリアコーナーや雑誌のインテリアページなど、メディアでのスタイリングに加え、ウインドウディスプレイやイベントのデコレーションなども手掛ける。またメーカーとのコラボレーションによる家電プロデュースも行っている。
http://interiorstylist.jp/