理想の暮らしを実現するには、住む人のライフスタイルと、それに合わせた間取りやインテリアが必要です。夫婦ともに建築家という家づくりのプロで、実際にrisoraのユーザーでもある「ハンズデザイン一級建築士事務所」の星名さん夫妻が、ライフスタイルに合わせたご自宅の家づくりのポイントを教えてくれました。
“緑が見える家”を活かした基本設計
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キッチン・ダイニング・リビングが一続きになったスペース。食事をはじめ、リラックスタイム大きなダイニングテーブルで過ごす
星名さんご夫妻が自宅をつくったのは、8年前のこと。当時築26年だった中古マンションを購入し、自分たちのライフスタイルに合わせてリノベーションを行いました。
それまでは、住まいも仕事も東京でしたが、妻である貴子さんの実家の近くであったことと、周辺が緑豊かだったことから、今のマンションの購入を決めたそう。
リビングダイニングにある南を向いた大きな窓から緑を望むことができ、反対側の北側の窓からも、大きな公園が目に入ります。
「この窓を活かすべく、もともと家の中心部にあった浴室を、リノベーションで北側に移動しました。以前は窓がなく、暗くて、湿度が高くなりがちだった浴室ですが、ゆとりができ、気持ちのいい場所になりました。
窓があることで長時間入っても息苦しくならないし、明るい時間に入浴する機会も増えています」とお2人。
▲ 開放的で明るい浴室。窓は、元々あった和室の掃き出し窓の半分を活用して設けた。ここから近隣の公園の緑が見える
引っ越し後、しばらくは自宅が仕事場を兼ねていたという星名さんご夫妻。しかし職業柄、どうしても設計図面、資材のサンプルやカタログなど、モノが多くなってしまったことから、現在は自宅近くに事務所を借りました。
仕事の機能を外に出したことで、家は、ますますプライベートを充実させる場所になっています。
玄関正面のキッチンは、“実験”のひとつ
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玄関を開けると目に入るのがこのキッチン。加工を施したナラの無垢材と、大谷石を組み合わせ、間接照明も組み込んだオリジナルのもの。
星名さん夫妻がリノベーションで自分たちの家を設計することになったときに浮かんだのは、「せっかくなら、これまでにやったことのなかったことに挑戦したい」という思いだったとか。
「お客様の住宅設計とは異なり、私たちの家づくりは、住まいのつくり方と使い方の“実験”のようなものと考えていました。これから住まいづくりを考える方に、よりリアリティをもった提案ができる経験になっています」
そのなかで、最も大きなチャレンジとなったのがキッチン。
玄関を開けるとキッチンが真正面で出迎えてくれるという、なかなか類を見ない、珍しいスタイルです。
「キッチンは、毎日食事をつくる場所であり、家族が集う中心になる場所ですから、家づくりをするときにとても大切で、慎重に考える必要があると思っています。
私たちの家でも、『ここにこれだけのスペースが欲しい』という希望や、食器・調理器具の量、そして毎日の作業の動線を考えて、さまざまな選択肢を挙げていきました」
▲ キッチン横にダイニングテーブルを置き、調理から食事、片付けまでをコンパクトな動線で行えるように工夫している。
いろいろ考えた結果、採用したのは、コンロとシンクが分かれている“2列型”。スペースにぴったりと合わせてオーダーした、オリジナルの造作キッチンです。
▲ キッチン全体像。シンクとコンロが分かれている、2列型のキッチン。
2列型のキッチンの良い点は「コンパクトに収まる」というところ。一般的に、シンクとコンロがつながったキッチンは幅が2.6mほど必要ということですが、星名家のキッチンは2mに収められています。
一般的な70~80平米くらいの広さまでのマンションなら、おすすめの大きさなのだとか。
しかし、このタイプのキッチンは食材を切ったり、調理したりするスペースと、片付けるためのスペースの間に通路があるため、食材や食器、調理器具を移動させるときに野菜くずや水滴が落ちやすいのではないか、という心配もあったと言います。
「けれど実際には、カットした食材をまな板ごと移動させたり、パッドに入れたりするといったちょっとした工夫で、快適に使うことができています。
食洗機はビルトインタイプなので、ダイニングテーブルで食事をとったら、使った食器を直接食洗機へ入れることができ、最低限の移動で済むようになっています」
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シンク下の右端の扉部分に、スウェーデンのASKOの食洗機をビルトイン。大容量なので、大人2人の3食分の食器なら、基本的に夜寝る前に一度だけ洗浄するだけですむ。
また、お客様をお招きすることも多いという星名家。玄関正面のキッチンはホテルの受付カウンターをイメージして、訪れた方々を温かくお迎えできるように工夫しています。
「キッチンカウンターには無垢の木材や石などの天然素材を使用し、間接照明も仕込んでいます。
ほかにも、生活感が出やすいキッチンができるだけ煩雑に見えないように、カウンター奥に位置するレンジフードを隠したり、オーブンレンジを造作した収納の中に収めたりしてすっきりとさせました。
オーダーメイドのキッチンなら隙間がなくぴったりと収まるので、見た目がいいだけでなく、お掃除も楽になります」
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コンロの上にはレンジフードが隠されている。オーダーメイドのキッチンなら、調理家電もぴったり収めてすっきり見せることができる
リノベーションから7年後、初めて気に入ったエアコンに出会った
▲ 約72平米の住まいで、空調はリビングダイニングに設置されたrisora。配管が隠されており、よりすっきりと見える
リノベーションを行ってから8年が経ちますが、実は星名家では、昨年までエアコンを設置せずに過ごしていたそうです。
「いずれ取り付けることになるだろうと配管工事だけは済ませていたものの、気に入ったエアコンが見つからず、ずっと設置しないままでした。
というのも、従来のいわゆる“白物家電”としてのエアコンの存在感がどうしても気になってしまって。
前に出っ張っていて圧迫感がありましたし、運転を始めると、送風口がガバっと開いて音がし始めるという、“メカっぽい動き”も、木材をたくさん使い、窓からは緑豊かな景色を眺められる家に合うのだろうかと思っていたのです」
そんなときに出会ったのが、当時発売されたばかりのrisora。シンプルなデザインで、他の機種に比べて主張しない薄さを気に入り、「これなら、我が家のリビングダイニングにも合う」と感じて導入を決めたそう。
色は、マットな質感の「ファブリックホワイト」を選びました。
「私たちの家の壁はベタッと均一的に塗られておらず、少し刷毛の流れが残る塗り壁のような質感なのですが、「ファブリックホワイト」も同じようなテクスチャーなので、とてもなじんでいます」
▲ エアコン本体は取り付けないまま7年を過ごしていた。もともと室内に露出していた配管を壁のなかに隠す「隠蔽配管
※」工事を行っている。
そして星名家のエアコンの室内機と室外機の周りには、配管が見えておらず、よりすっきりと見せることができています。
これは、リノベーション工事の時点で行っていた「隠蔽配管」という技。
壁の中に配管を埋め込むことで、インテリアを邪魔せずにエアコンが設置できるのです。
「risoraは運転時も静かで、風も体に優しいように思います。
私たちの家にある唯一の空調機器なのですが、パワーも十分あり、これ1台で部屋全体が快適に保たれています。そうした実体験をもとに、お客様にrisoraをおすすめするケースも多くなっていて、実際にお住まいに導入された方もいらっしゃいました。
これも、私たちの住まいの“実験”のひとつと言えるかもしれません」
※ 特にリノベーションの場合は戸建・マンションともに、隠蔽配管ができない場合もあります。新築の際は設計段階で相談してみるのがおすすめです。