No.374 兼松エンジニアリング株式会社 様
高知県高知市
高知県に本社を置かれる兼松エンジニアリング株式会社様は、強力吸引車などの環境整備機器を製造・販売する会社として有名ですが、社内で培われた技術を応用して、環境と産業に貢献できる様々な製品を開発されています。
兼松エンジニアリング株式会社 松岡 様(右)
ユアサプロマテック株式会社 飯田 様(左)
当社では汚泥吸引車も製造していますが、かさ張る汚泥の水分を飛ばし減容させる方法の1つとしてマイクロ波を使う技術を持っております。
電子レンジと同じ原理なのですが、もっと有効活用できる製品ができないかと検討していました。
そんな時「オレンジ皮から精油を抽出」と言う海外論文を目にしました。
高知県だけでも年間5,900トンも焼却廃棄されている「柚子の皮」から精油が抽出できれば、お金をかけて捨てていたものから商品が生み出せる。これは経済的にも環境的にもメリットが大きいと考え開発を進めました。
そして完成したのが「減圧蒸留型抽出装置」です。国内初のマイクロ波による精油抽出の実用機として、香料や農協関連のお客様にご使用いただいています。
果皮の精油抽出方法として一般的な「水蒸気蒸留」と比べ、マイクロ波を用いる方法は時間もコストも大幅に節約。その上で良質な精油と混じりけのない水分が抽出できるので、今後さらに市場で注目されていくと期待しています。
マイクロ波減圧蒸留型抽出装置
蒸留タンク底の丸く白い部分からマイクロ波を照射
マイクロ波で気化した抽出成分を液化させるのに冷却水が必要ですが、クーリングタワーでは希望水温(5℃)まで下がりません。
そんな中、ユアサプロマテック様からダイキン空冷ウォーターチリングユニットをご提案いただきました。
採用のポイントは、水温4℃まで可能なレスポンスの高さと、±0.5℃という安定した水温制御。精油の品質に欠かせない要件を満たしていました。
また装置を全国に出荷しても、ダイキンさんの24時間体制のサービスネットワークなら安心です。
効率冷却を担う空冷ウォーターチリングユニット(UWAP75A・3馬力)
冷却用のシェルアンドチューブ熱交換器と精油回収器
柚子からはじまった製品ですが、他の柑橘類はもちろん、生姜や木材(ヒノキ、スギ)などからも抽出が可能。酒粕から清酒の香りのする焼酎(蒸留酒)なんて面白いですね。用途は広がる一方です。
現在はバッチ処理タイプだけですが、さらに大量な処理が可能な連続処理タイプを開発中。これからも環境と産業に貢献できる装置を生み出していきたいと思っています。
現在開発中の連続式バイオマス再資源化装置(模型)
24時間365日
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