床暖房 モニターレポート
床暖房と連動する新しいエアコンは今の天井埋込カセット形エアコンと入れ替えができるのか?
床の工事後も、玄関~LDKのバリアフリーは保てるのか?
そんな井戸様ご夫妻の疑問に加え、実際に調査を始めてみると、他にも検討の必要な部分があることが判明。
新たに浮上したのは、中古で購入した物件ならではの課題でした。
密集地の一戸建で、子育て家族が健康・快適に暮らせるようにリフォームしたい。
こだわり
今回、井戸様ご夫妻が設置を希望していらっしゃるのは、エアコン連動型ヒートポンプ式温水床暖房「ホッとく~る」。
「できれば省エネや新しい機能がついている天井埋込形エアコンに入れ替える形で。
無理なら壁掛形のエアコンを新たに取り付けることも考えたい」
というご意向に沿うために、まず必要なのはエアコンの入れ替え可否の確認です。
そこで、今回の担当者であるダイキンエアテクノ株式会社の松井氏が井戸様宅を訪問。
今のエアコンの型番やサイズを確認し、全体的に施工が可能かどうかをチェックしました。
入れ替え前のエアコンの室内機5年以上前に設置
その結果、天井埋込カセット形エアコンの入れ替えについては問題ないと判明。井戸様が入居された時にはすでに設置されていたので少なくとも5年以上前の室内機ですが、ほぼ現行機と同サイズなので、今ある天井のスペースに入れ替えることが可能となりそうです。
あわせて、床暖房パネルの設置範囲についても確認。
設置候補のLDKと洗面所(脱衣所)の中で、床下収納がある洗面所(脱衣所)は床暖房パネルを敷設できないことが分かり、LDKへの設置が決まりました。
家族ですごす時間が長いリビングとキッチンは暖かく快適に、というご希望をお持ちの井戸様。
このご希望を叶えることができそうです。
こうして無事、天井埋込カセット形エアコンを使用したエアコン連動型ヒートポンプ式温水床暖房「ホッとく~る」の施工が可能となった井戸様邸。そこであらためて、工事スタッフを含めた再度の現地調査が行われることになりました。
今度の調査の目的は、施工方法や天井・床の仕上げ方、床暖房の室外機の設置位置など詳細の確認と相談。
その中で、井戸様ご夫妻も意識されていなかったいくつかの課題も見つかりました。
幅木の高さをチェック
メジャーを持って採寸を始めた工事スタッフがまず気づいたのは、床と壁の境目にある幅木の高さが通常より低いこと。これは、もとの幅木はそのままに、すでに一度、新たな床材が重ね貼りされていた証です。
どうやら、井戸様ご夫妻が購入される前に、床のリフォームが一度施されていた様子。
過去のリフォーム履歴が把握できない中古住宅ならではの注意点といえるでしょう。
また、床暖房パネルの設置のしかたについては、「2×4工法では床を貼ってから壁を作りますが、井戸様邸もおそらくこのタイプ。
一番下にある元々の床をはがすことまではできません」との工事担当者の説明で、
以下の3パターンに絞られることに。
それぞれの特徴を整理すると以下のようになります。
この中から予算や床面の状況を考慮して決定していくことになりました。
工事パターン①
現在の床の上に床材と床暖房パネルが分離している床材分離型パネル「ほっとぴあ」などを重ね貼
特徴・留意点
温水パネル約12mm+床材約12mm、合計24mm程度床の高さが上がる。
幅木はますます低くなり、ドアなど建具への干渉も考慮する必要がある。
工事パターン②
現在の床の上に床材と床暖房パネルが一体化している床材一体型パネル「はるびより」などを重ね貼り
特徴・留意点
厚みはパネル1枚分の12mmなので、床の高さの上がり方は分離型よりは控えめ。幅木の高さへの影響も分離型よりは少ない。
工事パターン③
現在の床材をはがし、元の床の上に床暖房パネルと床材を重ね貼り
特徴・留意点
床の高さは現在の状態からほぼ変えずに済む。ただし工事はかなり大がかりになる。
井戸様邸のバリアフリー範囲は、玄関から続く廊下部分と、そこからドアを隔てて続くLDKまで。
床暖房パネルが入るのはLDKのみですが、床の高さが変わる工事となった場合、廊下と玄関部分についても高さを揃える必要があります。そのために、床暖房パネルと同じ高さの床材を使用してバリアフリーを保ち、玄関の上がりがまちに面した部分は、リフォーム用の専用部材を使うことになりました。
入れ替え前のエアコンの室外機が設置されている場所
1台の室外機が床暖房とエアコンの機能を担う分、エアコン連動型ヒートポンプ式温水床暖房「ホッとく~る」の室外機は、床暖房ユニット部分があるので少し高くなります。
しかし、現在設置されている場所にほぼ収まりそうだとわかりました。
エアコン用室内機から室外機を結ぶ配管については、現在天井裏を通り壁を抜け室外機へつながっていますが、室内機を取り替えても現在のものを流用できそう。
床暖房の室外機から温水パネルへ温水を運ぶための温水配管についても、床下の通気口を使って室外機と温水パネルをつなぐことができそうです。
リモコン設置については、壁の中の電気配線の状態によっては室内に配線が露出することになりますが、その点について「モールなどで目立たないように処理してもらえれば特に気になりません」とご了承をいただきました。
リモコンの設置場所を検討
現在、LDKの床材はダークブラウン。
日当たりが少ない空間だけに、奥様としては「この機会に明るい色に変更を」というお気持ちもあるようです。
しかし、リビングから2階に続く階段がダークブラウンであること、現在使用中のテレビ台も同色で揃えたことなどを考えると、統一感という点で迷いも生まれます。
この点については、ぎりぎりの段階までじっくり考えるということで、井戸様の宿題となりました。
LDKの家具については、運べるものは可能な限り2階に運び上げることに。
大型のダイニングテーブルも、脚を取り外すことができるので、問題なく移動できそうです。
工事中は、「程度によりますが、できるだけ家で過ごしたい」というのが井戸様ご夫妻のお考え。
床材を重ね貼りする工事であれば、日中もとくに問題なく過ごせそう、と話がまとまりました。
ただし、小さな赤ちゃんを抱えたご一家にとっては、工事音の問題など未知数の部分も。
どうしても気になる場合は、近所にある奥様のご実家での生活も予定に入れて、工事の日を迎えることとなりました。
現地調査を終えたご主人は、「専門的な話題が多かったけれど、細かいところまで調べていただいて安心できました」とご納得の様子。
いくつかの検討課題は残ったものの、判断の基準が決まったことで、改めて工事が現実味を帯びてきました。
あとは、宿題となったポイントを決めていき、工事の日を迎えるだけ。井戸様ご一家の床暖房ライフまで、あと一歩です。
「ホッとく~る」は、エアコンと床暖房がかしこく連動する、まったく新しい冷暖房(床暖房)システムです。
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