施工年月 : 2023年11月
空調更新に留まらず、補助金活用によるイニシャルコスト削減。省エネ機導入によるランニングコスト削減、さらに空調容量の最適化と絡めて「ZEB Ready」を達成。今後拡大を見込む改修ZEB化事例として大きく注目を集めています。
所在地 | 大阪府大阪市 | 延べ面積 | 982㎡ |
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階数 | 5階建 | 用途 | 事務所 |
構造 | ALC造 | 竣工年月 | 2006年3月 |
部屋構成 | 1階 業務部、応接室/2階 営業部/ 3階 総務部、会長室、社長室/ 4階 工事部、技術部/5階 会議室 |
2050年のカーボンニュートラル達成に向けては既存建築物のZEB化が取り組みを進めるうえで重要
今後の改修ZEBの普及を見据え、自社ビルの改修ZEB化を通じて、空調容量の削減・補助金活用により快適性も維持しながら「ZEB Ready」を達成
2006年に竣工した本社ビルは築17年が経過しており、空調設備の異音や劣化が見られたため、2021年頃更新に向けた予算取りを開始しました。更新計画策定にあたり、空調更新に加えて「ZEB Ready達成」「補助金の活用」の2点の目標を掲げた2ヵ年の社内プロジェクトを立ち上げました。今回のプロジェクトを通してノウハウを蓄積することで、既築建物のZEB化を加速させるための提案力を高め、躯体改修無しで「ZEB Ready」を達成できることをお客様にPRしていくという狙いもありました。
2ヵ年の社内プロジェクトのなかで、前半の1年は空調機の能力計測、後半の1年は空調更新に向けた工事計画策定や、補助金申請に向けた期間としました。竣工から17年経過しており、当初設計時と比較してOA機器や人員、照明負荷が変わっています。1年間を通して実際にどのくらいの空調負荷で運転しているかを調べるために、ダイキン工業製の「i-VRVユニット」と呼ばれるIoT端末を用い、2021年10月~2022年8月末までの運転状況を計測しました。約1年の計測を終え、検証結果を確認すると、当初空調能力68馬力(190.4kW)で設計されていた空調機能力に対して、夏・冬ピーク時でも60%以下での稼働を確認することが出来ました。
ZEB化に際し、竣工当初のビル用マルチエアコンの能力から若干余裕を残し、21%削減した54馬力(151.2kW)へのダウンサイズ、超高効率ビル用マルチエアコンの採用、高効率の全熱交換器を採用しました。その結果「ZEB Ready」の要件である一次エネルギー消費量50%の削減を実現しました。
容量計測ユニット「i-VRVユニット」
補助金は、経済産業省の中小企業向け「省エネ(C)指定設備導入事業」を活用し、空調・換気機器導入コストの1/3の補助を頂き、空調能力の最適化と合わせて、結果として30%以上のコスト削減を実現することが出来ました。さらに省エネ機器を導入したので、シミュレーション上では年間40万円のランニングコストの削減も見込めると考えています。今後どのくらい電気代が削減できるか非常に楽しみです。
2024年2月に当社お取引先様へ当社ZEB化事例をご案内しました。ZEBについてご理解を深めて頂いただけでなく、ZEB実現を身近に感じて頂けたのではないかと感じています。「ZEBは敷居が高いと思っていたが、小規模建築物でもZEB実現が可能と感じた」「自社屋でもZEB化を検討したい」とのお声も頂き、お役立ちが出来たのではないかと考えています。省エネ性・快適性の実現だけでなく、お取引先様との関係強化にも繋げられることができ、ZEB化に取り組んで本当に良かったと思います。
※デマンド制御、消し忘れ、年間スケジュール運転
単純な空調更新に留まらず、省エネ機導入でのランニングコスト削減による投資回収に加え、環境配慮型ビルの証明である5つ星認証の「ZEB Ready」まで取得できたことに大変満足しています。社員の声としても、更新前と比べ暖房時足元まで暖かく非常に快適になったと聞いています。室外機容量を最適化したことで、サーモOFFの頻度が減少し、リモコンの設定温度も0.5度単位で調整できるようになり快適性が向上しました。躯体改修無しでも「ZEB Ready」を達成できたので、今回得た知見やノウハウを生かして身近な案件でも提案していきたいと思います。
城陽ダイキン空調株式会社 技術部 佐伯孝典様
24時間365日
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