ビル用マルチエアコンの販売・設置をご検討の方へ
ビル用マルチエアコン
安全対策ガイド
2025年4月より、ビル用マルチエアコンの指定製品化により、
安全対策をしなければ、新規の販売・設置ができない場合があります。
指定製品制度とは
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、フロン類などの温室効果ガスへの規制や削減への取り組みへの関心が高まる中、日本でも2015年に「フロン排出抑制法」が改正され、低GWP冷媒への対応が必要となる「指定製品制度」が段階的に設定されました。
2025年4月には、ビル用マルチエアコンも対象となり、低GWP冷媒に対応しなければ新設用製品のメーカーからの出荷ができなくなることから、従来の冷媒であるR410AよりGWPが低いR32への転換を進めています。
- 参考地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)とは?
- 気候変動に与える影響を評価するための指標となる数字。同じ質量の二酸化炭素(CO2)を基準として算出される。
安全対策が必要になる場合があります
R32冷媒は、従来の冷媒であるR410Aと比べて環境への影響が低減される一方で、微燃性があるため取り扱いに注意が必要となります。
そのため、安全に取り扱うためのガイドラインが一般社団法人日本冷凍空調工業会で設けられており、建物や機器の設置状況によりこのガイドラインに則った安全対策が必要になる場合があります。安全対策の要否はページ下部の「室内機の安全対策判断フロー」をご確認ください。
安全対策が必要な場合
01 冷媒漏れを検知する検知器と、冷媒漏れを知らせる警報器が必ず必要
02 漏れた場合の安全対策として、冷媒漏れを遮断する遮断弁か漏れた冷媒を室内から排出する換気設備のどちらかが必要※
- ※床置き形などの室内機はかくはん機能も必要になります。
安全対策が必要か
カンタンにチェック!
ダイキンの安全対策
R32冷媒は、従来の冷媒であるR410Aと比べて環境への影響が低減される一方で、微燃性があるため取り扱いに注意が必要となります。
そのため、安全に取り扱うためのガイドラインが一般社団法人日本冷凍空調工業会で設けられており、このガイドラインに則った安全対策が必要となります。
検知器
検知機は、漏えいする可能性がある①室内機熱交換器部分、②フレア接続による配管接続部に設置する必要があります。
①室内機熱交換器部分
室内機に
検知機を標準搭載※2
ダイキンはほぼすべての室内機に標準搭載しているため、検知器の設置位置検討の手間を削減できます。見積漏れの心配もありません。
現場での設置・配線工事は不要のため、作業工数を削減できます。
②配管接続部
フレアレスジョイントの利用で
検知機の設置が不要
「フレアレスジョイント」などネジ接合継手を使った配管接続部を選択した場合、漏えい箇所からは除外されるため、検知機の積算や設置作業は不要です。
フレアレスジョイント
- ※1 床置き形室内機はかくはん機能が標準搭載
- ※2 外気処理壁ビルトイン、外気処理天井埋込ダクト(加湿あり)、外気処理天井埋込ダクト(加湿なし)の3機種を除く(別置き検知器で対応)
- ※3 壁ビルトイン形は標準で内蔵
警報器
ダイキンは警報器をリモコンに標準搭載しているので、設置位置の検討や積算、設置作業は不要です。
換気
ダイキンの外気処理ユニット(VKMA)なら換気連動に「別売品基板」や「追加配線」が不要です。
ダイキン外気処理ユニット(VKMA)の場合
ダイキンVKMA以外の換気機器の場合
遮断弁
ダイキンの遮断弁は室内機から電源を供給するため、別電源の用意がいりません。 またガス管2本のみを標準付属のねじ接合継手(フレアレスジョイント)で接続するため、検知器の設置やロウ付けが不要で作業時間を短縮できます。 別売品の取付板を使用すれば、室内機に直付けでき、吊りボルトも不要になります。 冷媒同時機については、BSユニットが遮断弁の役割を担うため、追加の遮断弁の手配や施工は不要です。
安全対策は遮断弁がおすすめ
- 漏えい時に
大気への放出が最小限 - 漏えい時も
個別運転可能 - レイアウト変更に
対応可能 - 回路検査が
自動判定可能 - 漏えい時に
冷媒追加充填量少
「マルチ冷媒温度制御」で快適な省エネもサポート
部屋ごとの負荷に応じて、「マルチ冷媒制御ユニット(またはBSユニット)」が冷暖房時の冷媒温度を個別にコントロール。室内機ファンの頻繁なON/OFFを減らし、快適かつ省エネにつながります。※ 系統内に小部屋がある場合や同室内にペリメーター、インテリア等室内負荷が分かれている場合に効果発揮します。
- ※接続されている室内機がすべてVRT Smart対象時に有効です。
- ※安全対策不要時もマルチ冷媒温度制御機能は有効にできます。
回路検査と漏えいセンサーの定期交換が必要です
エアコン導入後は1年に1度以上の新たな点検(回路検査)と、5年に1度の漏えいセンサー定期交換が必要になります。
回路検査について
検知器の信号によって警報器が発報し、安全対策装置が正しく作動しているか確認するための検査です。
1年に1回以上行い、点検内容を記録することがガイドラインで求められています。
点検記録表に記載しお客様へお渡しください
検査に必要な機種名、設置場所、冷媒充填量、安全対策の要不要、対策方法(遮断弁or換気設備)などの情報を製品に同梱されている点検記録表に記載して、お客様へお渡しください。
毎年回路検査を実施し、結果を記録・保管してください
点検記録表がない場合、回路検査を行うにあたり、まず設備情報などの確認が必要になります。(10階建てビルの場合、約350分要すると想定さてれいます。)記録表に必要事項が記録されているか確認し、大切に保管・管理の上、毎年回路点検を実施してください。
集中コントローラーで回路検査の手間を削減
集中コントローラーを導入すると、つながっている全機器を一括で回路検査が可能になります。検査の際は、専有部に入ることなく検査が可能なため、回路検査にかかる手間を約4割ほど削減することが可能です。(遮断弁採用時のみ利用いただけます。)
リモコンで検査
系統ごとに点検を行うため、フロア移動が発生
集中機器で検査
全機器をコントローラーで一括点検可能
クラウド型遠隔点検で回路検査の工数ゼロを実現
クラウド型遠隔監視サービス「エアネットサービスシステム」を利用すると、遠隔から自動で回路検査を行うため、実質工数ゼロで回路点検を実施でき、お客様の手間をまるごと削減可能です。
室内機の安全対策判断フロー
安全対策は、系統内に封入された冷媒がすべて居室に漏れ出しても燃焼する濃度に達していないかを計算し、この計算をもとに設置の可否や、安全対策が必要かどうかを判断していきます。
室内機の安全対策判断フロー
- ※室外機や地下室がある場合は判断フローが異なります。詳しくはガイドラインをご確認下さい。
- 参考安全対策のためのJRAガイドライン(一般社団法人 日本冷凍空調工業会)
- R32対応ビル用マルチエアコンでは、JRAガイドラインGL-20を踏まえた上でGL-16を対策する必要があります。
安全対策が必要か
カンタンにチェック!