都内のアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰する、料理家・フードコーディネーターの柚木さとみさん。多くの女性たちに支持されるレシピが生まれるアトリエは、築60年ほどの古民家をセルフリノベーションして作られています。「古民家ゆえに冷暖房は効きづらい」と思っていたところ、2020年にrisoraを設置してからは、見違えるほど快適さもアップ。その魅力について語っていただきながら、春らしい彩りの「ちらし寿司」レシピも教えてもらいました!

築60年の古民家が生まれ変わる。友人たちの力を借りたアトリエづくり

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▲いちばん広さが取れる場所を、キッチンスペースに。3m幅の大きなキッチンは、友人のお下がりのシンクに合わせて作業台を造作したもの。

料理家・フードコーディネーターとして活躍する柚木さとみさんが現在の場所にアトリエを構えたのは、2012年のこと。それまで住んでいた物件の取り壊しが決まり急遽立ち退かなければならないという事情から、新たな物件を探していたときに見つけたのが、築60年が経とうとしている古民家でした。

「SNSで見つけてさっそく内見したところ、思った以上にボロボロの状態で……。床が傾いていたりふすまが破れていたり、お風呂やトイレもボロボロでした。もともと古い物件が好きでしたし、前の家でもDIYで自分好みの空間を作ったりしていた私でも、『ここはさすがに難しいかも』と思うほどでした。それでも、“好きにリノベーションしてもOK”というところに可能性を感じて、決断しました」

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▲リノベーション途中の記録写真。天井を抜いて、屋根裏が見える状態に。(写真:千葉栄樹)

当時はリノベーションにかけられるお金も十分ではなく、柚木さん自身が図面を引き、床下の根太をプロに依頼した以外は、建築設計、家具職人、アーティスト、陶芸家など、集まってくれた多くの友人たちが力を貸してくれたと言います。

「家の中の壁や床を抜いて完全にスケルトンの状態にしてから、引っ越しまでの猶予は、わずか3週間でした。荷物を運び入れる前日になんとか床を塗り終えて、そのあとは段ボールに囲まれながら壁を作ったり、キッチンを造作したり、照明を付けたりしていました」

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▲リノベーションの記録写真より。細かく区切られていた部屋の壁や床を抜き、新たに床板と壁を張ったところ。(写真:千葉栄樹)

「さときっちん」のインテリアは、前の家から持ってきたもの、友人が作ってくれたもの、家の解体時に出た廃材を生かしたものなど、さまざまな要素で構成されており、どこか味わいのあるものばかり。複数のカフェのプロデュースなどに携わってきた経験で培った、柚木さんらしい空間づくりのこだわりが光っています。

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▲友人のフローリスト・岡本美穂さんが作ってくれたという大きなリースが目を引く。ペンダントランプは、友人の家具ブランド「gleam」のもの。

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▲テーブルとチェアは、照明と同じく「gleam」にオーダーしたオリジナル。テーブルは料理教室に使いやすい高さで、荷物が置ける棚も設置。チェアはテーブルの下にぴったり収めることができる。

一番のこだわりは、家の奥に広く取ったキッチンスペース。考案したレシピを試作したり、料理教室で生徒さんと一緒に作業するのに使い勝手が良いアイランドキッチンは幅が3mあり、余裕のあるスペースに。背面にはスパイスラックを設けて、調味料がすぐに取り出せるようになっています。

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▲スパイスラックは1x4と2x4の板材でDIYしたもの。奥行きが約8cmと浅い分、並べやすく取り出しやすい。せいろを置いた棚板は、もともと玄関を入ってすぐの床板だったものを再利用。

2017年までは、アトリエの一画を居住スペースにしていたという柚木さん。現在は別の場所に住まいを移しましたが、そちらも古い民家をフルリノベーションしたものだそう。

「アトリエでも自宅でも料理の試作や撮影を行っていますが、アトリエに来ると、より背筋が伸びるというか、気合が入る気がします」と、現在も建物に手を入れながら、アトリエを使い続けています。

「エアコンは効かない」と諦めていたアトリエでの過ごし方が、risoraで一変

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▲家の奥に、risoraのラインホワイトを設置している。

お金も時間も充分にかけられない中、セルフリノベーションしたとは思えないほど洗練された空間の「さときっちん」。しかし古民家ならではの悩みもあり、特に空調については、仕事にも影響が出ていたと言います。

「築60年以上経っているので隙間があったり、天井を抜いて屋根裏がむき出しになっていることもあり、夏はとても暑くて、冬はとても寒いんです。特に夏は、多少エアコンで冷やすことができても、料理で火を使うとあっという間に室温があがり汗だくに。あまりの暑さに、7、8月は料理教室をお休みせざるを得ませんでした。
それまでエアコンは友人から譲り受けたものを使っていたのですが、古い家だからなのか効きづらいように感じていました。『まあ、古いし天井も抜けているし、エアコンが効かないのは仕方ないか』と思っていたんです」

そんな「さときっちん」に転機が訪れたのは2020年の夏。新型コロナウイルス感染拡大の影響による自粛期間中にエアコンを入れ替えようと、友人のつてを頼って、ダイキンプロショップでもある三冷設備さんに相談をしたところ、risoraをおすすめされたそう。

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▲すっきりシンプルなrisoraは空間になじみ、アトリエの特徴でもある天井や木目の窓枠、柱を引き立たせる。

「三冷設備さんの丁寧な説明に加え、カタログを見て、デザインと性能の満足度が高いと思えたのがrisoraでした。アトリエの雰囲気や壁の色に合わせて白(ラインホワイト)を選びました」

そしてrisoraを設置してから初めて夏を迎え、運転してみてびっくり。「この家でも、エアコンってちゃんと効くんだ!」と感じたそう。

「risoraのおかげで夏も涼しく過ごせるようになり、2020年の夏は料理教室も開催できました。生徒さんたちにも『このエアコンすごいんです!』とつい話してしまうくらい(笑)、感動しています。一般的なエアコンよりコンパクトなのに、性能は抜群です。それにエアコンだけではなく、三冷設備さんが部屋全体の空気の流れを考えて、サーキュレーターを使うことも提案してくださったことも大きいと思います。天井に設置していますが、配線もきれいに梁に沿わせてくださって、提案から施工まで、素晴らしい対応をしていただきました」

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▲三冷設備さんのアドバイスにより、天井に黒色のアシストサーキュレーターを設置。黒を選んだので目立たず、夏場は冷気を、冬場は暖気を部屋全体にまんべんなく行き渡らせてくれる。

料理教室、メディア向けのレシピ提供、撮影対応など、多忙な日々を送る柚木さん。好きなものが詰まった空間と快適な空気で、これからますますのご活躍を期待できそうです。

ステイホーム中でも、春気分を満喫!
家族で楽しむ「3種の漬けの散らし寿司」

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▲華やかな彩りで、見た目にも美味しい散らし寿司。ひと足先に春気分が味わえる。

まだしばらく続きそうな、ステイホーム期間。この機会を利用して料理を楽しむようになった、という人も多いのではないでしょうか?

今回は柚木さんに、ステイホーム中の気分を上げる一品として作りたい、春らしさ満点の散らし寿司のレシピを教えてもらいました。家族で楽しめて、ひなまつりメニューとしてもおすすめです!

<材料(3〜4人分)>

[漬け3種]
鯛…80g
※調味液A
醤油…小さじ1
酒…小さじ1/2

まぐろ…80g
※調味液B
醤油…小さじ1
柚子胡椒…小さじ1/4
※小さいお子さんには、柚子胡椒は入れずに調味します。

サーモン…80g
※調味液C
醤油…小さじ1
みりん…小さじ1

※魚は刺身用のものを使用。いかや鯵、帆立などお好みのものでアレンジしてもOK。

[錦糸卵]
卵…2個
酒…小さじ2
塩…小さじ1/8
油…少々

[合わせ酢]
米酢…60ml
きび砂糖…小さじ2
塩…小さじ2/3

[その他]
菜の花…1/2束
ガリ生姜…30g
とびこ…適量
米…1.5合
酒…小さじ1
ごま…小さじ2

<作り方>
■具材の下準備をする
① 漬けをつくる。魚は小さめの一口大に切る。それぞれをA〜Cの調味液に漬けてぴったりラップをしておく(20分〜)。
② 菜の花は塩(分量外)を加えた熱湯で色よく茹で、ざるにあげる。手早くあおいで冷まし、水気を絞り細かく刻む。ガリ生姜は水気を切りみじん切りにする。

■錦糸卵をつくる
① 卵をボウルに割り入れよく溶く。酒と塩を加え混ぜたら一度ざるでこす。
② フライパンに油を温め、卵液を流し入れ薄焼き卵をつくる。長さ4〜5cmの細切りにする。

■合わせ酢をつくる
①合わせ酢の材料を鍋に入れ、きび砂糖が溶ける程度にさっと加熱して冷ましておく。

■ 酢飯を作る
① 白米はよく研ぎ30分吸水する。水気をしっかりと切り、酒を加えてやや少なめの水加減で固めに炊く。
② 炊きあがったら熱いうちに、全体にまわしかけるように合わせ酢を加える。
③ うちわであおぎながらしゃもじで切るようにまぜる。ごま、下準備しておいた菜の花(半量)も加え混ぜる。米が合わせ酢を吸い、全体につやが出て手元が少し重たくなればOK。固く絞った濡れ布巾をかけておく。

■盛りつける
① 酢飯が人肌程度に冷めたら器に盛り、錦糸卵と菜の花を全体に広げてのせる。(※錦糸卵と菜の花の一部は、トッピング用にとっておく)
② 漬け3種、ガリ生姜、残りの錦糸錦と菜の花を彩りよく盛りつける。仕上げにとびこを盛る。

◆盛り付けのポイント◆
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「具だくさんなので酢飯はうすく広く盛り付け、具材を全体に散らしつつ、敷き詰めるように盛りつけるのがポイント。お子さんと一緒に自由に盛り付けるのも楽しいです(柚木さん)」

お好みで、醤油を少量垂らしていただきます。菜の花がなければ、青菜はお好みのものでOK。せりなど香りのあるもの、木の芽などもおすすめだそう。酢飯に刻んだ大葉を混ぜたり、トッピングとして刻み海苔をのせても美味。
柚木さん自身も何度も作り、友人たちに振る舞ってきたというちらし寿司。ぜひ作ってみてください。

 

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柚木さとみ(ゆぎ さとみ)
料理家・フードコーディネーター。カフェのプロデュースやメニュー開発、大手料理教室の講師などを経て料理家に。料理教室「さときっちん」を主宰。企業やメディア向けのレシピ提供のほか、スタイリングや空間づくりなど“食”を含めた暮らし方の提案を行う。
https://yugisatomi.com
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