エアコンの省エネ性能は年々向上していますが、具体的にどのような性能があり、どう選べば良いのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、エアコンの省エネ性能の指標の見方から、最新の省エネ技術、そして選び方などを解説します。専門用語もわかりやすく説明しますので、エアコン選びに迷われている方はぜひ参考にしてください。省エネエアコンで快適な生活と電気代削減を両立しましょう。
エアコンの省エネ性能とは、少ない電力消費で効率よく冷暖房する能力のことです。省エネ性能が高いエアコンを選ぶことで、快適性を保ちながら電気代を抑えることができます。
経済産業省の省エネポータルサイトによると、現在の省エネエアコンは10年前と比較して約15%もの省エネが可能となっています。
エアコンを選ぶ際に目にする省エネ性能の指標について、その意味と見方を解説します。
APF(Annual Performance Factor)とは、1年を通じてのエアコンの省エネ性能を表す指標です。具体的には、1年に必要な総冷暖房能力を1年間の消費電力量で割った性能評価指標です。APFの数値が大きいほど省エネ性能が高いと言えます。計算式は以下の通りです。
● APF = 1年間に必要な総冷暖房能力 ÷ 1年間の消費電力量
期間消費電力量は、ある定められた条件のもとで1シーズン(冷房期間または暖房期間)エアコンを運転したときの消費電力量の目安です。この値は通常、カタログやラベルにkWh(キロワット時)で表示されています。期間消費電力量が低いほど、省エネ性能が高いと言えます。
ただし、実際の消費電力量は使用環境や使い方によって変わるため、あくまでも目安として見るようにしましょう。
省エネラベルは、エアコンの省エネ性能を一目で理解できるようにしたものです。主に以下の情報が記載されています。
★マークの数が多いほど省エネ性能が高く、5つ星が最高評価です。年間の目安電気料金は、一般的な使用条件での年間の電気代予想額を示しています。 省エネ基準達成率は、国が定めた省エネ基準をどの程度上回っているかを%で表示しています。例えば、省エネ基準達成率が103%であれば、省エネ基準を3%上回る性能を持っていることを意味します。値が大きいほど省エネ性能が高いことを意味します。 エアコン選びの際は、この統一省エネラベルを確認し、★マークの多いものや年間の目安電気料金の低いものを選ぶことで、より省エネ性能の高いエアコンを選択できます。
最新のエアコンに搭載されている主な省エネ技術について、紹介します。
人感センサー付きのエアコンは、室内の人の有無や動きを検知し、自動で運転を調整することが可能です。例えば、人がいない時は設定温度を緩和したり、運転を弱めたりすることで、無駄な電力消費を抑えます。オフィスや家庭の居間など、人の出入りが多い場所で特に効果を発揮します。
コンプレッサーは、エアコンの心臓部とも言える部品で、ここの効率がエアコン全体の省エネ性能に大きく影響します。最新の高効率コンプレッサーは、従来のものと比べて大幅に効率が向上しており、同じ冷暖房能力を少ない電力で実現できます。
AI制御は、ユーザーの使用パターンや好みを学習し、最適な運転を行う技術です。例えば、毎日同じ時間に帰宅する家族がいる場合、その時間に合わせて事前に冷暖房を開始するなど、快適性と省エネ性を両立させた運転を実現します。また、天気予報データと連動して、外気温の変化に応じた最適な運転を行うこともできます。
省エネ性能の高いエアコンを選ぶうえでのポイントを、一般的な家庭用エアコンと業務用エアコン、それぞれについて解説します。
部屋の広さに合った適切な能力のエアコンを選ぶことが、省エネの第一歩です。過不足な能力のエアコンを選ぶと、電気代が割高になります。
エアコンの適切な能力は、部屋の広さだけでなく、天井の高さ、断熱性能、日当たり、使用地域の気候など、様々な要因によって変わります。そのため、正確な必要能力の選定には専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。部屋の広さ(畳数)に応じた能力の目安を参考にしつつ、実際の使用環境を考慮して選ぶことが大切です。
業務用施設では、単純な床面積だけでなく、天井高、窓の大きさ、人の出入りの頻度、照明や電子機器の発熱量、建物の構造など、より多くの要因を考慮する必要があります。特に、飲食店や製造現場など、特殊な環境下では、詳細な熱負荷計算が必要となるため、専門業者に相談することをおすすめします。
また最新の省エネ機能を備えた業務用エアコンに入れ替えると、どれほど電気代・CO2排出量が削減できるか、以下のリンクから簡単に試算できます。
家庭用エアコン選びの際は、期間消費電力量、APF(通年エネルギー消費効率)、適用畳数の3つの指標を確認しましょう。期間消費電力量が低く、APFが高いものを選ぶことで、より省エネ性能の高いエアコンを選べます。
業務用エアコンでも基本的にはAPFを重視しますが、加えてCOP(エネルギー消費効率)といった指標も確認することも重要です。これらの指標は、季節や負荷の変動が大きい業務用環境での省エネ性能をより正確に反映します。
人感センサーやAI制御機能が効果的です。例えば、家族の生活リズムを学習し、自動で最適な運転を行う機能は、省エネと快適性を両立させます。
オフィスでは人感センサー付きのモデルが効果的です。これにより、人がいないエリアの空調を自動で抑えて省エネが実現できます。また飲食店の厨房には、厨房の熱や湿気に強いモデルが適しています。工場やデータセンターなどでは、24時間365日の連続運転に耐える耐久性や、精密な温湿度制御が可能な機器がいいでしょう。
省エネや節電による節約に関して、詳しくは「店舗やオフィスの気になる電気代を削減!エアコンの節電ポイント」をご覧ください。
エアコン選びでは、初期費用だけでなくランニングコスト(年間電気代やメンテナンス・修理代)も考慮することが重要です。省エネ性能の高いエアコンは初期費用が高くても、長期的には電気代の節約で元が取れる場合も多いです。
また、省エネ性能の高い業務用エアコンを導入する際、各種補助金や税制優遇措置を利用できる場合があります。
補助金については「2024年(令和6年)版 業務用エアコン導入に使える補助金・助成金をご紹介」もご覧ください。
本コラムでは、エアコンの省エネ性能について、APFの意味や省エネラベルの見方から、AI制御や人感センサーといった最新技術まで幅広く解説しました。省エネ性能の高いエアコンを選ぶことで、快適性を損なうことなく大幅な電気代削減が可能です。しかし、最適なエアコンはお使いの環境やニーズによって異なります。より詳細なアドバイスや、お客様の環境に合わせた最適なエアコンの選定については、ダイキンの専門スタッフにご相談ください。
購入相談窓口(ダイキンカスタマーセンター)では、エアコンのプロとして豊富な経験と確かな技術力でお客様のエアコンに関するお悩みを解決いたします。より詳しい情報や個別のアドバイスが必要な方は、お気軽にご相談ください。
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